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CLAW POINT - MITSURU SUGIURACLAW POINT 杉浦 充 インタビュー 05

修理が天職

――開店してすぐに軌道に乗ったウェスタンブーツの修理業。その道一筋で20年続けてきた杉浦さんにとって、ブーツ修理の仕事とは、どのようなものなのだろうか。

ブーツは、足に合わないと本当にしんどいですよね。私も、履いていて疲れないというブーツは、数足しかありません。ウェスタンブーツって、釘だけで止めてあって、なんでわざわざ手間をかけて作ってるんでしょうね。

でも、そういう一筋縄ではいかないようなものを扱える、直せるということにも、実は幸せを感じています。ウェスタンブーツの修理は、趣味で始めたような仕事に近いです。私自身がその魅力に魅了され携ることを選んできました。厳しい修業時代もなく、楽しくアメリカで勉強できたということで、私の中には、自分が職人だという意識はありません。

職人というのは、一からものを作り上げるような人のことを言うんだと思うんです。最近は少しずつ分業になってきてはいるんでしょうけど、それでも自分ですべてを作る人。私は、だいたいどういう工程を経て靴が作られるのかということはわかりますが、自分で作れと言われたら、おそらくできないと思います。

ただ、ブーツを作ることはできませんが、ブーツの良し悪しは理解しているつもりです。美しく作りこまれたブーツをできるだけ、機能的にも見た目的にも元の姿に戻してあげたいという気持ちで続けてきました。お客様の色々な要望に応えようとすることで、常に勉強させていただいている様な気がします。

私は靴が好きで、今でもウェスタンブーツにこだわって、仕事をやらせていただいています。好きなことをして収入を得ることができて、この仕事は自分にとって天職だと思います。

――「ウェスタンブーツのどういったところがお好きですか?」

足を入れる瞬間なんかは、普通の靴を履く時とは違って、少し意識が引き締まって自分の気持ちが上を向くのがわかります。ウェスタンブーツを履いたときは、歩く姿勢もいつもより良いかもしれないです。

カウボーイの実用に耐えうる道具として、無駄が省かれた機能美とこぞって競った難易度の高い装飾が施されたウェスタンブーツは、ただ履くだけではなく、職人のこだわりを感じて愛でる楽しみも与えてくれるような気がします。これは通常の靴の概念とは明らかに違うものだと思います。

私の場合は、だいたい3足のブーツを使いまわしで履いて、あとはコレクションになっています。玄関に置いておくともったいないし靴にとっても良くないので、リビングに飾っておいて、時おり眺めてにやにやしています(笑)。

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