A Fine Western-Lifestyle Companywww.funny-western.co.jp

SPIRITS

CLAW POINT - MITSURU SUGIURACLAW POINT 杉浦 充 インタビュー 08

インタビューを終えて

ウェスタンブーツは別名「カウボーイブーツ」とも言われ、西部の荒くれ男たちの勇ましさを表現するマストアイテムだが、そのメンテナンスを手掛ける杉浦氏は、意外にも控えめで照れ屋で、穏やかな方だった。

その一方で、日本に導入されていなかった靴の修理方法をアメリカで学び取り、帰国して身ひとつで日本にウェスタンブーツの修理業を確立した姿勢は、開拓時代のアメリカにあったというフロンティアスピリットそのものだ。

ソフトな物腰の杉浦氏が、インタビュー中に一度だけ眉間を険しくさせたことがあった。最近修理に出されたブーツの状態について話が及んだときだ。そのブーツはかつて、杉浦氏自身が修理を手掛けたもので、1年の月日を経て再び、修理を依頼されたものである。

素人目にも「ボロボロ」と見えるブーツを前に、杉浦氏は言った。「前回の修理で精一杯のことをしたつもりなんですが、このように扱われると、さすがに悲しいですよね......」

自らの仕事内容に自信と誇りをもつだけでなく、直したブーツにも愛着を寄せる。杉浦氏の仕事は「修理」の枠を超え、命も絶え絶えのブーツに今一度息を吹き込む「蘇生」でもあるのだと、送り主の元へと届けられるブーツを見て思った。

ウェスタンブーツの医者であり、かつ「修復芸術家」でもある杉浦氏の手さばきは、今後も多くの人の足元を輝かせることだろう。

< < CLAW POINT - MITSURU SUGIURA WORKS GALLERY