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SPIRITS

KUBOTA ATSUSHI窪田 敦司 インタビュー 06

窪田クラフトを支えるもの

クラフトマンになり、30年近く作品を生み続ける窪田氏。 ある程度の年齢になり最近はふり返って新たに気付く事もあると言う。

「なぜこういう世界をやりだしたのかというと、もともと口下手だったんですよ、子供の頃から。 自分の言葉を人に伝えるのがとても下手だったから、物を作ったりするのがすごく好きだった。

喋らなくてもいいから。 自分だけの世界だから。 自分の気持ちはそこの中で完結できる。

だから喋るのは今でも苦手です。 表面的なことはべらべら喋るけど、核心的な所を突かれると何を喋って良いのかわからなくなる。そうじゃなかったら政治家になってましたよ(笑)。」

「日々思うことは"天狗にならないこと"絶対大事ですね。 常に謙虚でいなければならない。 プライドはあっても、それを鼻にかけてはならない。 内側に秘めたプライドであってほしい。 それを表に出して鼻にかけたらアウト。 そこから奈落の底に落ちて行くと思ってます。 腕がないのを道具ばっかり揃えてカバーしようとする人とかね。そういう人をいっぱい見てきましたから。 その辺のバランスというのが大切なんじゃないかな。

歳とってきたら相手に見せつけるという気持ちがなくなってきました。 力が抜けてくるというか。 "僕も普通の人間や"みたいな感じです。 若い頃は"オレこんなんやってんねん!見せつけたる!"という気持ちとかあったけど、だんだんそういうのは影を潜めてきましたね。」

「僕がやってることというのは、別に難しいことではない。 自分でもなんとなくできてしまうほど、難しいことは無いけど、毎日進化してきてると思うことがある。そんな感じなんですよね。

それって言い換えたら、僕ってずーっと下手なんかなあ(笑)。

ちょっとずつちょっとずつ進化してるんだけど、腕が上がってるんだけど、ずっと下手なままちょっとずつしか上がってないのかな?みたいに日々思います(笑)。 満足することはないもんね。

最初は難しかったことでも、何年かしてきたらそれが普通になってくる。 それを何十年と積み重ねてきたんです。

毎日毎日日々進化していくという実感、感触を今でも感じます。

ずっとやってると飽きてくる、自分のやってることに。 飽きてくるとまた別の進化をする。 飽きてきたら新しいテクなり、違うものを見つけ出したりする。

大きな転機は、シルバーを始めてエングレを本腰いれて始めたことかな。 ツールが変わって行くと、それもまた表現の仕方が変わってくる。 指先で柄を作っているのではなく、ツール側から作っていくから、僕はそれを補助しているだけ。ただそれだけ。そんな独特の新しい感触があったりね。

僕のひとつの強みとしては、袋小路に入らない。 飽きてくるというのはひとつの袋小路ですから。

諦め悪くて飽きっぽい、あまり物事を考えない、プラス思考。 真剣に悩んでも一晩寝たら忘れるし、都合の良い生き方、モノの考え方をしてると思います。 イイ性格してますよね、だからここまで来ちゃったんでしょう(笑)。

ご先祖さんがちゃんと守ってくれてると思います。 だって運が良いもん。 過去をふり返っても、ひょっとしたら死んでるという場面で何ともなかったり。 運が良い、毎日拝んどかなきゃね(笑)。 自分の意志だけじゃないと思うんですよね。 なんか、こう、動かされる感じ、生かされてる感じもするな。」

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