ウェスタンとともに

磨き上げられた道具類、使い込まれて柔らかい色を帯びた革、雑然と積まれた資材の数々......。自らの手でウェスタンギアを作り出す職人、大門秀一のまわりはハードなアイテムで囲まれている。そんな空間の中で、白ひげを蓄えた口元をキリリと結び、「職人じいちゃん」は黙々と作業を進める。「男のダンディズムはかくあるべし」とその姿で示すかのように。

作業デスクを離れれば、白いウェスタンハットを小粋にかぶり、自ら手掛けたギャリソンベルトで腰を締める。もちろんシャツはイン。68歳って、こんなにもお洒落なのかと瞠目する。仕事を離れてもウェスタンとともにある姿は、大門氏にとってウェスタンが単なる嗜好ではなく、生き様そのものなのだと教えてくれる。

工場長として長年FUNNYの基盤を支えてきた大門氏に、職人としてのこだわり、そして１人の愛好家としてウェスタンの魅力について語ってもらった。