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SPIRITS

OOKADO HIDEKAZU大門 秀一 インタビュー 06

独立して好きなことを

――FUNNYの事業が順調に拡大する傍らで、大門さんは独立されましたね。

48歳のとき、「年齢的にもいい時期やし、独立する気があるんやったらそろそろどうや」ってマスターから言われてな。それで独立することにした。僕自身のことを考えても、独立していれば定年もなくてやり続けられるからメリットがあるんじゃないかと思って。FUNNYと同じものを作ったって仕方ないから、ウェスタンのギア的なものをメインにしてね。FUNNYの仕事もやるけど、ギアもやる。別のモノやったらお互いがお客さんを奪い合うこともないしね。FUNNY的にも俺が別のものを作れば種類も増えてええしな。FUNNYとお互いに持ちつもたれつ、っていうところはあったよ。その結果として、もともと好きだったウェスタンギアができるようになったしね。

FUNNYの社員としてやれることはやったと思うよ。独立した頃は、時代がアメリカンカジュアル化していって、ウェスタン色が少し薄まってきていたんだよね。ウェスタンにこだわると言っても、ウェスタンを出し過ぎてビジネスにならなかったら仕方ないし、FUNNYとして時代とともに変わる必要が多少あった。でも僕が独立してハードなものを手掛けることで、FUNNYにもっともピュアなウェスタンの部分を残すような意味合いもあったかもしれんね。

独立してからは、好きなものを作ってる。例えば『シェーン』の映画の50年目にシェーンベルトを作ったのよ。焼けてなくなっちゃったからアメリカにももう実物はない。それで少しだけ残ってる写真を集めて集めて、ようやく作り出したんや。ない資料を見つけるのがまた楽しかったんやけどな。資料集めには1年くらいかかったな。何度も何度も『シェーン』を観て、ちっちゃい写真を元に、こうかなこうかな、って。アメリカにもシェーンベルトを作ってる人がいるんだけど、おもちゃみたいやった。手前味噌になるけど、完全に僕の方が良かった。やっぱりこういうことは日本人の方が得意なんやな。作ってるときは、本当に面白い。

その時のシェーンベルトは受注生産で、全部で15本くらい作ったかな。1コのシルバーパーツだけで2万円近くかかったから、お客さんに「ナンボかかるか知らんで?」って言ったら「それでもかまわん」と。結局1本が50万円くらいになったかなあ。今やったらもっと高いけど。で、そういう手塩をかけて作ったものは、自分用にも欲しいよね。そばに置いておきたいから。それで自分のもつい作ってしまったな。

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