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SPIRITS

OOKADO HIDEKAZU大門 秀一 インタビュー 07

ウェスタンの "匂い"

――ウェスタンアイテムを作るのは、難しいですか?

難しいというより、深いね。俺は日本人じゃん。どないしたってこの顔は変わらないし、スタイルも変わらない。でも気持ちや考えはなんぼでも変えることができるから、イメージトレーニングはずっとしてたよ。どうしたらウェスタンの雰囲気が出せるんだろう、どう扱ったらいいんだろう、って。ウェスタンらしさを出すには、こうデザインを変えたらええんやないか、ここを触ったらいいのかとか、よう考えた。

いかにウェスタンの "匂い" が出せるか。この "匂い" っていうのが厄介やねん。どんなにデザインが良くても、匂いがなければやっぱりどこかおかしいんよ。だからどこを追求すれば良いのか考えないとアカン。そこが深いから、商売としても難しいところがあるっていう気はするね。

FUNNYの工場にも、若い子が何人も入ってきたよ。僕らが試行錯誤して確立した仕事やから、少しやれば一通りはできるようになった。それで少しできるようになったら辞めて別のところに行ったり、自分でやるっていう奴もいた。でもモノが作れるからウェスタンの雰囲気が出せるかと言えば、できない。形だけ作ればいいなら、できる。そりゃできるよ。でも、いずれは彼らも、俺らが作ったものをコピーするだけになるかもしれんなあという気はした。若い子は1つモノが作れるようになると「俺は全部できる」って思いがちだけど、作ることはできても、創造することはなかなかできないんだよね。

日本で作ると質的には良いものができるんだけど、例えばシャツなんか立体感がなかった、ぺちゃんこ。日本でも立体裁断とかするようになったけど、雰囲気が違うんやな。ウチとしてはなんとか立体のあるものに変えようとするねんけど、どう触ったらええのか、っていうのが"匂い"の問題になってくる。モノづくりの中の匂いと言うか、その匂いがないとウェスタンに見えない。つくりが良いのは当然で、それに加えて匂いが出せているかどうか。この部分はなしにしたらアカン。

こういう気持ちがあって作るか、ただ作るかでも違うよ。同じモノを作るにしてもその匂いを出そうとせえへんかったら絶対に出ない。これは教えられて出るもんやないから、そこが深いんや。この部分が何色の匂いをしているのかっていうのは自分で見つけていかないと。それがわかるようになればいいねんけど、......確かに難しいかもしれんな(笑)。

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