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SPIRITS

OOKADO HIDEKAZU大門 秀一 インタビュー 09

こだわりで生きる

――モノづくりにおいて、大門さんはどんなところにこだわりますか?

普通の商品はあんまり作りたくないんよ。通り一遍じゃなくて、何とかそこに一味違う味を加えたいと思っちゃう。そうしないと面白くないしな。あまり手を入れすぎると「えー」ってなるけど。まあギア的なものに関しては、こういう風合い、っていうのを考慮して、できるだけお客さんの趣味に合うようにはしてるねん。基本はシンプルやけどな。

ホルスターにしても「どのように使いはりますか?」って聞いてから作り方を考えるよ。部屋で飾りたいっていう人には銃が落ちたら困るから抜けにくくするし、ちょっと抜いて遊びたいっていう人には抜きやすいようにするとか、作り方も変える。2丁使う場合も、普通は右左が同じ形なんやけど、それだと実は抜きにくいから、同じ感じで傾くように左右で角度を変える。だから見た目の形はほぼ同じやけど、実は違うんよ。

やっぱりこだわらないとな。それだけで生きてるようなもんやから。だから時間も結構かかることもある。ささっとやればいいものを、こだわってしまってなかなかできない。でもやっぱり買ってもらったお客さんに「良かった」って思われるようにしたいし、痒い所に手が届くようなことをきちんとやりたいと思ってる。やっぱり、ただ形があるだけでは売れないんよ。作れば売れるとなると手抜きになってしまうしな。今は世の中そういうのが増えすぎたな。

作り手としては、そこそこ長く使ってほしい。革には寿命があるから手入れをしてなじませて、愛着を持って使ってほしいね。そういう風に思えるようにデザインにもこだわりたいし、素材もできるだけいいものを探してあげたい。オイルにしても僕は最初から入れるから、よその革よりはちょっとは長持ちする。手入れも少なくて済むしね。そういうことを考えるのもモノづくりの中で必要なことだと思ってる。アメリカ的なものにできるだけ近づけようとはするけど、日本的な感性でモノ作りをやってもええとは思ってるよ。

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